梅、菊、蘭、竹の四つの植物を組み合わせた文様を四君子といいます。中国では古来、吉祥文様として扱われ、やがて日本にも伝わりました。 君子とは、徳が高い人格者で、清らかで高潔な人のことをいいますが、君子として持つべき心がけを、この4つの植物に見出し、草木の中の君子として称えたものとされます。
蘭は、ほのかな香りで、品格を持つとされ、竹は、寒中においても青々として、曲がらずまっすぐに伸びること、梅は、雪の中、春の訪れを告げて最初に花を咲かせる強さ、菊は、気を満ち、邪気をはらう延命長寿の花とされることから君子として必要な性質を象徴していると考えられました。 また、中国では宋の時代より、画題としてこの四君子が用いられ、春は蘭、夏は竹、秋は菊、冬は梅と、四季を通じるテーマにもなっています。
四君子文様は梅、菊、蘭、竹の4つの植物がすべて揃った文様をさすので、いずれかが欠けるものはそう呼びません。吉祥文様なので、礼装の着物や帯に用いられます。