京鹿の子絞とは
京鹿の子絞(きょうかのこしぼり)は、京都府一帯で作られている染織品です。布を糸で括って染め上げる染色技法の1つで、括られた部分が染色されずに白く残ることで模様を表現します。染め上がった模様が子鹿の斑点を連想させるため、「鹿の子絞」と呼ばれるようになりました。
代表的な技法は「疋田絞(ひったしぼり)」や「一目絞(ひとめしぼり)」などで、全部で50種類以上にのぼります。1人1種類の技法を有す技術者が1粒ずつ括り上げ、その特殊な技法に合わせた染色を行います。京鹿の子絞の特徴は、複雑で精巧な括り粒です。精緻(せいち)な括りで表現される独特の立体感は、他の技法ではみることができません。他の染色に比べて完成までの期間が長く、総絞りでは1年半、振り袖では2年以上かかることもあります。